Enterohemorrhagic Escherichia coli
腸管出血性大腸菌
腸管出血性大腸菌は、大腸菌群の中でも「ベロ毒素」を産生するもので、強い病原性があります。
腸管出血性大腸菌による感染症は、感染症法では三類感染症に分類されている全身性疾病です。
重症化や死亡につながる恐れがあり、これまでにも重大な事故が発生しています。
食品を原因とする感染だけではなく、ヒトからヒトへの感染、水を介した感染が報告されており、調理従事者以外の方も衛生管理が必要です。
腸管出血性大腸菌の特徴
常在場所 | 牛などの腸管内 |
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症状 | 腹痛と水様性の下痢(重症化すると血便も) |
性質 |
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腸管出血性大腸菌に感染する主な原因
菌に汚染された飲食物の摂取、感染している人の糞便で汚染されたものを口にする(不十分な手洗い等が原因)と感染します。
感染予防のポイント
飲食店や食品工場では
主に対象となる方: 調理従事者の方、バーベキュー等をする方など
- 基本的な食中毒予防対策の実施。
- 肉類は75℃・1分間以上、中心まで加熱する。
- 生肉を扱った調理器具などは、熱湯または、次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス)で消毒してから次の作業に用いる。
- 野菜や果物を非加熱による加工や浅漬等によって提供する場合は、洗浄した後に次亜塩素酸ナトリウムなどで殺菌する。
福祉施設やご家庭では
主に対象となる方: 乳幼児や高齢者の方、保育や介助に携わる方など
- 乳幼児や高齢者の方は、加熱不十分の牛肉や牛内臓を生で食べることはひかえること。
- 食事の前、排便後、排泄物のケアをした後などは石けんと流水で十分に手洗いをする。
感染している人、または感染が疑わしい人がいる場合
- 便で汚れた下着は、次亜塩素酸ナトリウム(ピューラックス)で消毒する。
- 二次感染を防ぐため、感染している人の後に入浴しない。
その他
井戸水を飲用や食品加工・製造等に使用する場合は、水質に注意し塩素消毒したものを用いる。
参考文献
- 厚生労働省ホームページ「腸管出血性大腸菌Q&A」
- 食品安全委員会「食品健康影響評価のためのリスクプロファイル ~牛肉を主とする食肉中の腸管出血性大腸菌~」(改訂版)
- 社団法人日本食品衛生協会「わかりやすい細菌性・ウイルス性食中毒」